トップページタイル施工例ポルトガル各地の美タイル写真館タイルの歴史や製作工程店長の今日の一言リンク集

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店長の呟き・・・決してためになる読み物ではありませんので悪しからず。
私があるときふと感じたこと、素敵な出来事、おいしかった食べ物、そんなことを書いていきます。
この国に営業スマイルは存在しません。出会う表情は彼らの心を映す鏡。だから私はポルトガル人の笑顔が好きなんです。

 

 

'09/10/28

週末にサンタレンで開催している美食フェアに行ってきました。国内最大級の食関係のイベントで、三年ほど前にも一度行って、それなりに楽しんだイベントだったので、久しぶりにドライブ兼ねてリスボンから1時間走って行ってきました。

ポルトガルは「伝統」を大切にする国で、それはこの国のものを誇りに思っていることの証だから、私たち日本人が「マンネリ」と言いたくなることも、それをポルトガル人は「トラディショナル」と表現して、大事にしています。それは食に関しても同じで、昔ながらのレシピで作っている料理やお菓子は「トラディショナル」であることが売り文句にもなっています。

ま、きっと今回の美食フェアも、もう誰にとってもお馴染みのものばかりが並ぶのだろうと、大きな期待もせずに行ったのですが、実は私にとっては今回のイベントではちょっとしたサプライズの連続となったのです。たしかに、昔の修道院菓子や、腸詰や生ハム、チーズなど、もう何万回も見たようなものもたくさん出品されていました。でも、会場に入った瞬間、ヴィジュアル的に何かが違う!と思って、よく考えてみたら、カウンターの中でお客さんのアテンドをしている店員が、若い美形ぞろいなのです。だいたいこういうところでは作った本人が店に立っていることが多く、それは子供の頃から毎日小麦粉をこねてる、腕相撲では男の人にも勝ちそうな体格のいいオバちゃんか、昼間からちょっとほっぺが赤いオジちゃんか、といったところが相場なのに、今回は若く美しい上品な店員が、かわいいエプロンとかして立ってるではないですか。若い美形の店は商品も洗練されていて、明らかに田舎っぽいおじさんや太ったオバちゃんの店よりもお客さんが集まってるんです。接客要員の容姿がここまで変わったのには驚きでした。そして、お菓子なんかはちょっと小ぶりでかわいい飾り付きのものがきちっと並べてあったりして、おおっ、やるじゃん!って嬉しくなった店長。そして、近年流行ってるパォン・デ・ローのチョコ味とか、なんとパステル・デ・ナタのチョコ味まで!これには驚きました!日本では、パステル・デ・ナタ(エッグタルト)が流行りだした瞬間に、もう色んな味のが出てましたが、ポルトガルでは二世紀以上一つの味しか存在しなかったのに、2009年、ついにチョコレート味が登場!

しまった!着いてすぐにお腹が空いて、豪快な山羊のオーブン焼きを食べたばかり。あまりにおいしくて付け合せもしっかり食べてしまったため、お菓子を食べる余裕は全くなし。体を動かして少しでもお腹を空かせようと、会場を何周も歩き回って、写真を撮り続けてたら、何度も顔をあわせたお客さんたちがお酒を奢ってくれたり、メルアドを聞いてきたり、逆にカメラを持ってる私の写真を撮ってきたり。あああ、でも、一向にお腹空かない!で、そのうち時間切れ。お菓子は諦めて、お土産に山羊のチーズだけ買って帰りました。これがなかなかおいしいチーズで、今もパソコンの前でお茶とこのチーズをいただいております。
 

'09/8/22

暑い時期になぜか暑いところへ行きたくなり、内陸のアレンテージョのほうへランチに行ってきました。アランドロアルという小さな町のア・マリアというお店。もう数回行ったことがあって、いかにもコロンとしたオバちゃんが朝から何時間も掛けて作ってくれた田舎料理、という感じで、私のポルトガルお気に入りレストランの一つ。その後はEsporãoのワインセラーで、自宅用おもてなしワインを入手し、ついでにMonsarazで写真でも撮って帰ろう、という計画でした。
予定通り、オバちゃんの店ではアレンテージョらしい肉系のお料理をしっかりいただき、その後Esporãoへ。このワイナリーはすでに何度か訪れているので、特に見学とかする気はなく、ただショップで買い物をしたかっただけ。ところが、ショップにはオランダ人の家族がレジカウンターであれやこれやと長時間に渡って吟味しており、そこで待ってても仕方ない、という結論に達した我々は、別室で時間を潰すことに。ソファがいくつか置いてある訪問客が自由にくつろげるサロンがあって、ゆったりとしたガラス張りの窓から広がる風景は、緑鮮やかなぶどう園。この部屋、天井が高くて、効き過ぎてない絶妙の温度で調整されている空調が最高で、ソファに座ると、もうお願いですからここで1時間お昼寝させてください、って懇願したくなる快適空間。ゴチャゴチャと物がいっぱいおいてある部屋って落ち着かない私には、ここのシンプルさも心地よく、わずかな装飾品であるアレンテージョの焼き物のお人形の顔を見ると、おじさんの眉毛がくっついてるのも微笑ましく、且つポルトガルらしい。すっかりくつろいだ後、ショップに戻ってみると、件のオランダ人家族のお買い物もほぼ大詰めの段階、とレジカウンターのほうを見ると、すんごい状態で、4本入りの箱や袋が山積みで、床にもたくさん置いてあり、すでに子供たちがせっせと車に運び込んでるではないですか。ひやーーっ、旅行のついでに仕入れに来た酒屋さんですかい?ま、それはいいとして、私は目的のボトルを2本だけ購入。
ワイナリーで思わぬ長居をしてしまい、あの快適サロンでくつろいだ後に、灼熱地獄のMonsarazのお散歩はどうしても気が進まず、満場一致で帰宅決定。
これぞ、ポルトガルでは定番の休日の過ごし方なのであります。
 

'09/6/19

 この数ヶ月、「呟き」は更新されてませんでしたが、それなりに出来事はありました。4月のマラケシュ旅行ではミントティーにはまり、5月の二本立て続けの列車番組のロケではドウロ地方のブドウ園の美しさを再確認し、そしてそして、今月6日から、憧れのイスタンブール旅行に行ってきたのです。これは報告しなければ!自分の誕生日(6/9)プレゼントに、自分でちゃんと旅費出して、行ってきましたわ。以前からリスボン市内のグルベンキャン美術館に行くたびに、印象派の絵画などは適当に流し、イズニック陶器の展示に釘付けになっていた私。アンティークにそれほど興味があるわけではないけれど、イズニックだったら欲しい!!!と言っても買えるわけないので、せめて飽きるまで見よう、というわけで、トルコ旅行が決定したわけです。

トルコは広く、しかも各名所全て魅力的。一週間の旅行だったら、イスタンブールだけじゃなくて、半分カッパドキアとか行ったら?というアドバイスもありましたが、初めてのトルコ旅行、そして目的は本場の陶器、タイルとのご対面、というわけで、今回はイスタンブールだけに絞りました。
帰国日、荷物まとめてホテルをチェックアウトするのが悲しかったわ。いやーーっ、私はここに残るのーーーっ!!!って駄々こねて、しゃがみこんで石のように固まりそうになりましたわ。トプカプ宮殿のハーレムとか、数々のモスクのタイルは、まさに理想の空間。私がいつか大金持ちになったら、リビングをモスクの内装みたいにぜーんぶトルコのタイルで飾ろうっと、って、想像膨らませてました。そして手始めに、6枚組のタイルだけ購入。あとはお皿など数点。重量と予算の関係で持って帰った量は限られてるけど、町中探し回って陶器のいい店を見つけて吟味して買ったものばかりなので、買ってきたものにはすでに愛着感じてます。

トルコは食べ物もおいしくて、肉中心なところは私にもピッタリ。ただしイスラム教なので豚肉はなし。ピザの原型「ピデ」がおいしくて、小腹が空いたらピデ1枚、って感じでついつい間食ばかりしてしまいました。そして泊まったホテルはエスプレッソマシーンなんかも部屋に入ってるおしゃれなプチホテルだったのですが、朝食はいたってシンプル。3日目くらいから、朝食も外食開始。観光船が出る船着場のすぐ傍で、鯖サンドが有名だという情報をガイドブックで見つけ、鯖サンドを求めてトラムに乗って旧市街側へ。これがすんごくおいしかった。サバは新鮮だし、ほどよく脂ものって、そこに塩とレモン果汁を掛けて食べるのです。その近くでピクルスジュースも売っていて、これもチャレンジ。生姜かな???ちょっとピリッとしてておいしかった。なんと鯖サンドは朝食で3度も食べに行ってしまったのでした。船上で鯖を焼いていて、その場でバゲットに挟んでサンドイッチを作ってくれるのです。
こんな食事を一週間続けた私は、すっかりおデブになって戻り、ちょうどお金もなくなったので、これから絶食開始です。

夜のエンターテイメントは、ベリーダンス!美しいお姉さん方がクネクネと踊る姿に見入ってしまいました。自分はどう頑張っても体があんな風には動かないわ。彼女たちの体には骨は入ってないんでしょーかねー、我々とはちょっと違う進化を遂げた人類なんでしょうか・・・。ダンサーの動きを見つめる男性陣は、思考回路は停止状態で、ただ美しさに見とれているだけのようでしたが、私はもっと真面目に、人類の進化について考えてしまいました。ショーはベリーダンスだけじゃなくて、筋肉モリモリのお兄さん方のアクロバティックなダンスや、おじさんのトークと歌のコーナーもあって、お客さん参加型の面白い構成でした。
旅の締めくくりには素敵な夜となりました。

というわけで、ポルトガルとは全く関係ないネタでしたが、一応タイル関連、ということでお許しを。
 

 

'09/3/20

 ついに行ってしまいました。まさか、2週間後の予定が2ヶ月後になろうとは。そう、1/18の「呟き」で、私はおいしいキノコのことを書きました。そして、最後には、また2週間後に食べに行きます宣言までして終わっていたのでありますが、その後いつまで経ってもこの話題が出てこず、あのキノコの話はどうなったのだ、という読者の方の声もありました。あのキノコとの出会いには、一生のうちでそう何度もない運命的なものを感じ、その後、私は何としてでも「焼きマツタケ」のライバルとなり得る「焼きシレルカ」にありつきたく、春の訪れを心待ちにしていたわけです。ところがどうでしょう、その後待っても待っても雨、雨、そして雨。そう、キノコなので湿った環境も大事だと思うのですが、このキノコは春の陽光も浴びなければ育たないのです。レストランの商売上手な(なぜ「商売上手」なのかは後述)店主は2週間後にはあるぞ、と言ったので、その言葉を信じ、私はきっちり2週間後に店に電話をしたのですが、予想通り、悪天候が続いたためまだキノコが取れない、という返事。数度にわたって延期を余儀なくされたわけですが、ついに!!!行ってきました!私の小さな車に日本人女性4人詰め込んで!
前回思ったんです。こんな素晴らしいものを独り占めしたら、絶対にバチ当たる、って。だから、美食家&車なくて自力で行けない人を選りすぐり、「こめかみを銃で撃ち抜かれたような衝撃的な味だった」と言って誘ったら、皆さん瞬時に飛びつきました。で、みんなで大はしゃぎで行ってきたわけです。(すみません、行ってから一週間以上経ってます・・・。)

今も思い出しただけで口が半開きになって唾液が落ちそう。ポルトガル料理にこんなに感動したことって、あったかしら。何でも無難においしいポルトガル料理ですが、大概おいしいと思うのはその場のみで、こんなに何日も覚醒作用を帯びたようなうっとりした気分が持続した経験はないはず。あのシレルカという謎のキノコ、食材自体がそもそも素晴らしいわけですが、やはり調理がうまくないと、あの香りと歯ごたえは活かせないでしょう。私たちが食べたのが、前菜 : シレルカ入りスクランブルエッグ、焼きシレルカ(オリーブオイル、ビネガー、ガーリックの味付け)、メイン : 魚(sável)の薄切りフライと付け合せにその魚の卵入りパンおじや、山羊と牛肉のグリルと付け合わせが菜の花ソテーとシレルカ入りパンおじや、デザートは適当に。

そして、食事もそろそろ終わろうかという頃、店主フランシスコ(写真下)がテーブルに来て、「食事はどうでしたか?」と話しかけてきました。我々全員、無邪気な子供のように満面の笑みで「全部とーってもおいしかったです!」と絶賛。すると、フランシスコ「そうかい、いや〜、実はシレルカを入れたご飯もねぇ、またおいしいんだよ〜。」と、うっとり顔。!!!ナニーーーーッ!!!そんなもの今日はなかったではないかーーー!

というわけで、また店主フランシスコにしてやられたわけです。
そう、リターンマッチ。オホホ、なんとすでに次回のトマール遠征計画中。そして、今回の我々のキノコ研修(?)の話がクチコミで広まりまくって、もう私も知らない人たちが続々トマール行きを計画しているようです。・・・もう誰にも止められない。
 

'09/3/5

 まったく、不景気だ、不景気だって、そんな話題しか耳にしない今日このごろ。少しは明るい話題ないのかしら。なんだか今日はぶつぶつ独り言をいいそうなので、どうせなら不特定多数の方に私の独り言を発信しようと思い、パソコンの前に座りました。
今は個人レベルや会社レベルではなく世界中が不況に苦しみ、国のリーダーたちは景気回復に向けて奔走しているわけですが、我々にもできることはないでしょうか。乳飲み子抱えて夫がいつ解雇されるか分からないとか、日々食べていくのがやっとで貯蓄どころではないとか、仕事がなくて破産寸前とか、そういう人たちがたくさん世の中にはいますが、彼らにもできることはあり、それは、「不景気だ!!!」って暗黒ムードを世間に撒き散らさず(very important!)、地道にひっそりと自分の生活レベル向上に向けて努力すること。そして、なんとか生活できてる人は、余剰分をできるだけ放出すること!
私も収入は不安定で、近い将来も見えてない状態ですが、現在、どん底の生活をしているわけではなく、家のローン以外に特に借金抱えてるわけでもない。これは親から学んだ経済観念のおかげか、神様のおかげか、ただの運かは分からないけど、このことを誰かに感謝するべきでしょう。そう、それで今、私は景気回復に貢献すべく(無理か?)、できるだけお金を使う努力をしているわけです。近江商人の血を引く人間として、重要なのは「三方よし」の概念。それは、「買い手よし、売り手よし、世間よし」ってことです。これはあずれーじょマーケットの基本理念でもあるわけですが、普段の生活の中にもこれに似たような考えを取り入れ、自分だけがいい思いをするのではなく、みんなが楽しく生きていくために努力をしたいのです。そしてこの不況により多くの人が苦しんでいるという深刻な事態で、一般庶民の私にできることは、活発に消費活動をすること。出無精の私は、家でお昼寝したりダラーーッと一日中テレビ見てたり、怠惰な生活が大好きなのですが、暇なら外出する、またお誘いがあれば何でも行く、というのを意識的に実践しています。外に出れば自然にお金は使いますからね。扶養家族を抱えてる人たちは、自分だけの問題ではなく家族の生活を守ることが大事だから、今は使うより貯めるほうを優先するかもしれない。でも、私は一人暮らしだし、困ったときはそのときに解決策を見つければいいことで、やりたいことは今やり、必要なものはすぐに買う、先送りせずにね。それが自分にとっても世の中にとってもいいことであれば、得られる満足感はX2でしょう。当然ひとに迷惑は掛けられないから、無計画に散財する、ってことではないわけで、私の場合は、家のローンの金利がグーーーンと下がり、月々の返済額がピーク時と比べて約300ユーロ下がります。ならば、その毎月の300ユーロを別のことに使おう、という計画です。それが数ヶ月分となってくるとかなりの金額で、ちょっと素敵な旅行もできちゃったり、はまりかけのゴルフも結構頻繁に行っちゃったり、人生楽しいわけです。もっと余裕のある人は、家でも車でもじゃんじゃん買っていただきたいし、そんなに余裕はない人も毎日一杯外でコーヒー飲めばコーヒー屋の売り上げに貢献できるじゃないですか。そして、人間というのは周囲の人に大変影響されやすいので、自分から率先して「さくら」になる、というか、例えば誰かが毎週ゴルフに行ってる、とか聞くと、私も行こう、となりますよね。自分がその牽引役になるよう努力することが大事なんです。
不景気になると、こぞって政治家の欠点、悪口を言い出し、政権交代ばかり必死になって仕向けようとしますが(それは日本もポルトガルも同じ)、それは全部トップのせいと、責任を押し付けようとしているだけじゃないですか。誰が悪いか、ということよりも、自分に何ができるか、を考えるほうがずっと重要だと思うんです。
 

'09/2/18

 私のお気に入りスポット、アラビダ山脈に行きました。つい先日仕事で行ったばかりですが、そのときは雨で崖の上から海が見えないどころか、外を歩くのも困難な状態。それで今日は天気もいいし、また行ってみることにしたわけです。
山の南側はいくつかビーチもあり、その向こうには美しいトロイア半島が見え、運がよければそこに棲んでいるイルカの姿も見えるかもしれません。北側は地形に沿って波打ったぶどう園がこれまた美しいこと。舗装されていない細い悪路も少し走ってみると、次から次へと昔のお金持ちのお屋敷が現れます。自然公園の中での暮らしって、どんなものかしら。山脈を西のほうへひたすら走ると、最後はエスピシェル岬という、売店もトイレもなーんにもない、これまた大変美しい場所にたどり着き、ここが必然的に本日のドライブのゴール地点、となるわけです。この山は毎日監視員が巡回して、自然を何らかの形で侵そうとしているものがいないか見張っており、動物相や植物相をできる限り保護する努力をしています。
 アラビダ山脈、ここに来ると、心が浄化されます。断崖の地層が描く曲線は、建造物にはないスピリチュアルな美を感じます。それはやはり、数年または数十年で造ったものではなく、何万年もの時の積み重ねだからでしょうか。
さらりと流すドライブならば、いつものように音楽聴きながら視覚だけで楽しむのだけど、今日は気合を入れて、iPodもなし、何度も車から降りて匂いを嗅ぎ、耳を澄まして、神経を集中させて雄大な自然に溶け込んでみました。日ごろ溜め込んでいる心の中の汚いものがぜーんぶ洗い流される感覚。そして、特に貴重な植物など生息するエリアは立ち入り禁止となってますから、そこは人に汚されることない生き物のオアシス、自然が王様で人間は下僕となるわけです。人間同士の力関係、上下関係というのは、いつどういう形でひっくり返るか分からない微妙なもの、だから常に小競り合いや嫉妬やいがみ合いも存在してしまうわけですが、ここアラビダ山のような純度の高い自然を相手にした場合、我々が従うしかないわ、というとっても素直な気持ちになってしまうのです。
リスボン近郊には美しいシントラ山もあるけれど、私はアラビダ山で鷹やフクロウや山猫たちと、イルカが元気に泳ぐ姿を見ていたいな。
 

 

'09/1/18

 今日は楽しいドライブデー。久しぶりにトマールに遊びに行くことにしました。ちょうど今フリーメーソンのことを書いた本を読んでるところで、テンプル騎士団の話とか出てくるわけです。ポルトガルでは、テンプル騎士団と言えばトマールのキリスト修道院、ってわけで、久しぶりのトマール遠足が決定しました。といっても、今回私がお伝えしたいのは、修道院見学の報告ではなく、ふふふ、とってもおいしい発見があったので、それを書こうと思ったわけです。「おいしい発見」というのは、これからの時期にトマール周辺で取れる珍しい特大キノコです。
お昼ごはんに入ったレストランはトマール近郊の村にあり、いかにも週末は家族連れで賑わいそうな店でした。私が注文したものはスープと山羊のグリルです。山羊の肉もなぜか臭みが全くなく、まるでポークリブのような味わい。これにも結構感動したわけですが、山羊の付け合せで出てきた丸いパンの中身をくり抜いた器に入ったパンおじやが最高だったのです。ドロドロしたパンおじやを一口食べると、キノコのすばらしい香りが口いっぱいに広がったのです。こ、これは普通のマッシュルームとは違う、ってすぐ思ったので、ウェーターのおじさんを呼んで、とことん質問。すると、それはシレルカス(cilercas)という名前のキノコで、ちょうど今くらいの時期から5月くらいまで取れるのだそう。メニューをもう一度見てみると、前菜にも卵とシレルカスという料理もあり、あとはつけ合わせのキノコ入りパンおじや。ここでウェーターのおじさんの決定的な一言が!「いや〜、シレルカスはねぇ、まだ出始めだからメニューにないんだけど、あと半月ほどしたら、焼きシレルカスを出すようになるんだよ。塩をパラッと振って、焼いただけ。これがウマイんだよ〜。」ナニーーーっ!二週間早かったのかー。おじさんの夢見心地の表情から、彼の言葉に偽りなし、と確信。焼きシレルカス、絶対おいしいよ。あれだけの芳香を放つんだから、マツタケに匹敵するおいしさかもしれない。土瓶蒸しにでもしてみるか。
呼吸が荒くなった私の興奮度を読み取り、おじさん写真まで持ってきてくれました。それ見てビックリ。少年が両手にシレルカスを持ってる写真なのですが、そのサイズ、キノコの傘の部分が少年の頭くらいあるじゃないですか。特大お化けキノコだったわけです。
ちょうどこれからの季節の太陽の当たり具合が、このキノコの成長を促すらしいです。ただし決してたくさん取れるわけではないので、地元のレストランで少し出てくるくらいで、スーパーで一般消費者が買えるわけではないのだそう。もうっ、また来るしかないじゃない。今日は大ドジ踏んじゃってカメラを持ってなかったので、画像なし。次回は焼きシレルカス、絶対にカメラとお腹に収めるわよーーーっ。
「じゃ、おじさん、また来るぜ!」と言い残してきたけど、まさか本当に二週間後に私がキノコだけのためにリスボンから来るとは思っていないでしょう。・・・私、来ますよ。
 

 

'09/1/10

 今回は、店長のバダホス出張の模様をお伝えしたいと思います。
片道200キロ以上のドライブはもう慣れっこだけど、何せポルトガルで一番の田舎アレンテージョ地方を横断するので、延々とオリーブやコルク樫の木々と羊や牛を眺めながらのドライブは、どうしても睡魔に襲われがち。なので長距離ドライブに欠かせないのは音楽ですよ。エアロスミスやニルヴァーナのグルーブと車のスピード感でノリノリの私。いつものパターンで、ちょうど中間地点にあたるモンテモールのサービスエリアでひとまず休憩を取るのですが、車から降りた瞬間に、のどかな風景が視界に広がり、時の流れがいきなり10分の1にスピードダウン。そしてまたここのサービスエリアのカフェがアレンテージョの民家みたいな造りで周囲の景観にぴったり。ここでクリスマス菓子のボーロ・レイ(王様ケーキ)を食べて、10分ほど麻雀ゲームしながら休憩。あとは一路スペイン目指して突っ走ります。
1時間の時差のため、私が着く頃には商店街は昼休みに突入しています。商品用のタイルを発送したら、あとはランチ。適当にブラブラしていたら、タパスとか食べれそうなバールがあったので、そこでノンアルコールビールを飲みながらポルトガルではあまりないキノコ料理を食べて、ちょっと本なんか読みながら帰りの長距離ドライブに備えて休憩。さ、そろそろ行こう、と店を出て、何気なく店の前の広場の名前を見ると、「Plaza de Portugal」ポルトガル広場・・・。
帰りは一気にリスボンまで走ります。西に向かって走るので、あまり遅くなると西日をもろに浴びて、目を細めるとまたまた睡魔と闘うことになるので、できるだけ早く帰るようにします。せっかく遠出してるので、ついでにどこか立ち寄ってから帰ろうかと毎回思うのですが、だんだんリスボンが近づいてくると、なんだか早くお家に帰りたくなってしまうのです。バスコ・ダ・ガマ橋が見えてくると、自宅はもう目と鼻の先なので、一仕事終えた安堵感を味わうのでした。
 

 

'08/10/27

 なんと、私の自宅マンションの1階に、ポルトガル一の有名人、クリスティアーノ・ロナルドのお姉さんたちのブティックがオープンしました。その名も「CR7」。弟のイニシャルと背番号をブランド名にし、決してセレクトショップではなく、ロゴ入りの自社ブランド製品を扱っています。
一号店は地元ということでマデイラ島にあり、今回オープンしたのは二号店。本土では一号店ということになります。C.ロナルドのお姉さんがブティック経営してるのは知ってましたが、まさか私が住んでるマンションの下にできるなんて驚きです!
そして、今日初めて店内を覗いてみました。すると、偶然にも、お姉さん2人揃って何やら店内で撮影中で、2人にインタビューとかしており、私も便乗して2人の写真撮らせてもらいました。たしか、これはもともとは左のお姉さん(名前は知りません)がマデイラでやっていたショップで、右のカティアさんは歌手だったはず。芸名「ロナルダ」で、CDも出してましたよ。2人ともすごく感じよくて、終始にこやかに接してくれました。
きっと、今日はインタビューがあるから2人でここにいるけど、普段は従業員の子に任せるんだろう、と思ったら、今後カティアさんがこの店にいることになるとのこと。へぇー。あれ?芸能活動のほうは・・・?とか聞く勇気ありませんでしたが、まあ、歌手デビューは果たした、ということで夢は叶えられたのでしょう。
さて、写真を撮らせてもらって、ハイ、さよなら、というわけにもいかず、何か買わないと・・・といろいろ見せていただいたのですが・・・店内の作りはシンプルでなかなかスタイリッシュに仕上がってるんですけど、私が着れそうな服が、な、ない・・・。さすがに「CR7」と胸のところに大きくロゴが入ってる服とか着れないし・・・、と悩んで、一ついいもの見つけました。ベロア素材のスウェット上下。紺で、ポケットとかなかなかかわいいんです。「CR7」も小さく肩のところに入ってるだけだし。上下セットで89.9ユーロ。
いや、しかし、C.ロナルドってホント家族大事にしてますね。お姉さんのCDデビューとか開業資金、かなりの金額になることでしょう。「こんな弟が欲しい。」って、思わない人いるかしら?
 

 

'08/10/26

市内のプリンシペ・レアルという公園で、毎週土曜日に無農薬野菜の市があります。数ヶ月前から何度か訪れており、ここは私のお気に入り買い物スポットとなっています。自宅は少し離れているので、車で20分くらいかかるのですが、やっぱり行きたくなってしまうのです。
なぜそんなに気に入ってるかというと、普通のスーパーや市場では売っていない珍しい野菜やハーブなどが、それほど高くない値段で、又はすごく安く売られているから。日本のものもあり、「Shitake」とか「Mizuna」とか、日本語のまま。
この市で見つけた野菜の中で、これまでで一番珍しかったのが「レモン風味ホウレンソウ」。店の女の子にどんな味か聞いたら、ホウレンソウなんだけど、本当にレモンの香りがあって、とても口当たりもいいですよ、とのこと。これは買ってみるべし、と少ない束で2ユーロ以上する高級なホウレンソウを迷わず購入。
家に帰ってすぐ、どんな味か気になって気になって、即使うことに。そしてパスタに入れてみました。火を通すと、普通のホウレンソウより一気にくたくたになって、ほんの数秒で気持ち悪いペースト状に変身。見た目はグロテスクになってしまったけど、味はいいかもしれない。ほんのりと酸味が感じられたりして・・・とほのかなレモンの香りを想像しつつ口に入れて・・・どひゃーっ!すっぱーーーー!!!こ、これは紛れもなく梅干味です。あ、でもそうか、ポルトガル人だから梅干知らないんだ。きっと、本当の姿は火を通した後のドロドロしたもので、それがホウレンソウに化けていたんだー、と想像豊かになってしまうスキャンダラスな味でした。
きっと私、これからも珍野菜、珍ハーブを求めて、無農薬市行ってしまうだろうな・・・。
 

 

'08/5/15

ポルトガル中部、ベイラ地方に、「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」というキャッチフレーズで、ここ数年観光地として人気があるモンサントという村があります。そこは、内陸の標高が高いところにある村で、たくさんの自然の岩を利用して、岩の合間に小さな白壁の家が並びます。ロバを引くおじいさんがよく似合う村、と言ったらいいかしら。
今回私が行ったところは、「ポルトガルで最もポルトガルらしくない村」コスタ・ノーバです。アベイロの町から海側へ行ったところ。なぜポルトガルらしくないかというと、町の景色って、やっぱりまずは建物で決まるでしょ?ポルトガル南部だと漆喰の白壁に赤茶の屋根、北部だと黒っぽい花崗岩を使ったグレーの家、それがお決まりのパターンです。そしてここ、コスタ・ノーバは、昔の漁師の家が、カラフルな縞模様。知らない人は、この写真だけ見ると、ポルトガルだとは思わないでしょう。よーく見ると、建物によっては、外壁にアズレージョが貼ってあって、白とカラーの二色を使って縞模様にしてるものもありました。こんなかわいい家は、犬を連れた英国の老夫婦がお似合いでしょ。特に表通りから見える家はどこもきれいにしてあるので、写真を撮ってきました。
ここが面白いのは、メインストリートの目の前は河口で、裏手に行くと、数十メートルで大西洋。まだ少し寒いから、ビーチは人も少なかったけど、夏になると、表通りでお魚食べて、食後は裏側へ移動してビーチでごろりん。でも実は、私は裏のビーチで日向ぼっこしてる人たちより、表の河口で干潮時にぬかるみの中でバケツを持って、何やら取ってた人たちのほうが気になるのでした。
 

 

'08/4/13

ポルトガルのお菓子は美味しいか??? おいしいと思いますよ。ただし気にせず食べてると卵黄摂取量が跳ね上がるので、最近はよく食べるお菓子に関しては、レシピを見て、何がどれだけ使われてるかチェックしてコントロールしています。
お料理もそうかもしれないけど、お菓子は更に見た目の美しさも重要ですよね。ポルトガルのお菓子にはそれが欠如しているのです。だいたい、ショートケーキをお皿に載せるとき、日本だと立たせるでしょ。ポルトガルでは最初からバタン、と倒してしまうんです。そんなことしたら、折角の上のきれいなトッピングが見えないし、崩れてしまうじゃないですか。つまり初めから、見て楽しもうという気がないわけです。
先日、とっても素敵な仕事をさせていただきました。ヤングパティシエの洋菓子コンクール世界大会の通訳です。15人の選手のうち、2人が日本人でした。22,23歳の彼らにどれだけの技術とセンスがあるのか、興味津々。16時間の競技で、飴細工、マジパン、チョコレートなど規定の品目を作り上げていくわけです。最初のほうは何のための作業をしているのかも分からないことがいっぱい。競技前の彼らは普通の若い男の子で、決して厳しい修行を積んだ苦労人の顔はしていませんでした。ところが、競技が始まると、表情は引き締まり、職人の目に変わってましたよ。すごいすごい !
そして、審査結果は、日本人の1人の子が優勝。ワーイ ! うちの子、頑張ったワーッ、って、ほとんど母の気持ち。そして、競技が終わったら彼らはまた普通の男の子に戻ってました。
久しぶりに芸術的なお菓子をたっぷり見せてもらいました。でも、お菓子はやっぱり食べるもの。見るだけだったら粘土でもガラスでも何でもいいわけでしょ・・・、お菓子なんだから、食べておいしくなくちゃねぇ・・・、ここにあるみんなの作品、展示が終わったらどうするんでしょ・・・、と、色々考えながら優勝者の作品を眺めていると、パティシエ君がやってきて、「あ、よかったらどうぞ食べてください。」と自爆発言。店長「え? でもまだ展示しておかないといけないんでしょ?」と言いつつ、すでに手は一つのチョコレートをキャッチ。
というわけで、チョコレートの写真で、数が足りないのは中村特別審査員(私のこと)による試食分。うん、とっても美味しかったよ ! ピエール・マルコリーニとまでは言わないけど、これをきれいな箱に収めて、好きな女の子にプレゼントしたら、みんなイチコロよ ! 頑張ってね、パティシエ君 !
最終日、みんなでリスボンを観光。現地のお菓子屋さんも行きたいというので、数ヶ所立ち寄りました。ある店で、真っ黒な焦げ目が付いているエッグタルトを見て、全員「カ・・・カンゼンに、焦げてる・・・」と震え上がってました。
 

 

'08/2/29

一週間ほどポルトに行っておりました。心配だった天気もなんとかもって、ドウロ川クルーズではいい写真が撮れました。
やっぱりポルト、いいわぁ。とにかく人が親切。今回はあるTV番組のロケの仕事で行ったのですが、どこに行っても撮影OK(もちろん名所旧跡は予め許可を取ってありますが)。ロケハンなしで、しかも撮りながら新たなネタも考えないといけなかったのですが、それもポルトの協力的な人々のおかげで、全て短時間で話がまとまり、法外な撮影料を求められるようなこともなく、気持ち良く仕事ができました。
ポルトの町は何度も行ってるし、大体知ってるつもりだったのですが、今回新たな発見が ! それは、ポルトの対岸、ガイア市の中心から西へほんの数キロ行ったところで、アフラーダという地区。その一角だけ、田舎の素朴な漁師町の雰囲気がそのままなのです。なぜそこに行き着いたかというと、ちょうど今の時期、ヤツメウナギが獲れて、ポルト市内のレストランでもこの時期限定でヤツメウナギ料理を出すところが多いんです。それで、ヤツメウナギ漁とその料理を撮ろう、ということになり、調べてみると、アフラーダ地区の漁師がヤツメウナギ漁をやってるということが分かったのです。
港のすぐ近くのレストランで交渉し、ヤツメウナギご飯も作っているところを撮らせてもらいました。この店のオーナー兼料理人がカルミンダさん。最初に話をしに行ったとき、無愛想で、とっつきにくく、どうなることかと思いましたが、撮影当日は別人のように明るく振舞ってくれて、"やっぱりポルトの人っていい人"って、ジーンときました。
カルミンダさん、港でヤツメウナギを物色する姿も良かったですが、調理開始後も、なかなか豪快。まだ生きてるウナギの首に包丁を入れ、娘と2人で引っ張り合って生皮剥がし、あとはぶつ切り。ヤツメウナギの料理で一番オーソドックスなのが汁っぽいご飯で、作り方は簡単でした。ぶつ切りにしたウナギに赤ワインと塩、ビネガーを入れてしばらく置き、鍋にニンニクとみじん切りした玉葱を炒めて、そこに漬け汁ごとウナギを入れ、ウナギに火が通ったら米を入れて、柔らかくなったら出来上がり。出来上がりが真っ黒なので、繊細な人は見た目からすでに敬遠しがちですが、食べると酸っぱくてビックリ。確かにすごい量のビネガーを入れてましたからね。あれで臭みを取っているのでしょう。
ヤツメウナギの漁はとても危険らしく、カルミンダさんのご主人もヤツメウナギ漁で3度ほど絶命の危機に晒されて、漁師をやめたそうです。16歳で結婚し、2人の幼子を抱えながら寝る時間を惜しんで働いてきた彼女には、厳しさと逞しさ、そして優しさをしっかり感じました。
 

 

'08/1/17

エルバスという町に行きました。数キロ先は国境。高台のお城からはスペインのバダホスも遠くに見えます。ここは大きな水道橋が残っているので、観光で来る人は水道橋の写真だけ撮って去っていく、それくらいの目立たない小さな町です。
私はバダホスによく行くので、必ずこの町の近くを通るのだけど、いつも急いでるので高速で一瞬で通過、それがいつものパターンなのだけど、今日は初めからエルバスで必ず1時間取ろう、と思って予定を組みました。
町の外側は、城塞都市がそのままという感じで、強固な壁に囲まれ、重厚な城門をくぐって入り、そしたらまた門があって、やっと町に入れます。さすが国境の町、昔は敵の浸入に備え、常に緊張感漂っていたことでしょう。ところが中に入ってしまうと、意外と普通の町。最近まで工事中のところが多かったようだけど、すっかりきれいになっていました。しばらく歩いて、これといって見るものも何もなく、中心の広場に到着。
ここで、ビビビーッ、と、感じるものがあったのです。何って、石畳 ! ここだけ異次元の世界ですよ。白壁の建物が周囲を取り囲み、そこに透明感ある大理石の三色の石畳が立体的にデザインされ、もう圧倒されました。ここに着いて、一瞬時間が止まり、周囲の音が消えた感じです。

帰り、水道橋の傍にカフェDELTAのショップがあるのを思い出し、カフェしてから去ることにしました。ここでまた小さなサプライズ。出てきたカフェが最高に美味しかったのです。そこで豆も売ってるので、どれか聞くと、「ポルトガルブレンド」、という分かりやすい名前のもので、安めのものの倍くらいのお値段。でもスーパーでは見かけないものだったので、カフェ好きの私は迷わず買いました。