当店のアズレージョはこんな風にできています。
製造工程を見ていきましょう。
素焼きしたタイルが工房に送られてきます。まずは絵付けの前に、ガラス質の釉薬の準備です。置いておくと分離するので、使う前に必ずよくかき混ぜます。
素焼きタイルと釉薬をかけたタイルを並べてみました。左の素焼きしたタイルは大きなタイル工場で製造されており、それが各絵付け工房に届けられます。釉薬は通常絵付け工房で用意されており、掛けると真っ白(写真右)になります。これは瞬時に乾くので、すぐに絵付けを開始してかまいません。
柄は、まずトレーシングペーパーで用意します。鉛筆で描いた線をなぞるように、針で穴を開けてゆき、タイルにペーパーを重ねて、写真のような炭が入った布の袋をこすりつけます。
タイルに黒い点で書いたような絵(写真中央部)ができます。この点の絵を筆でなぞっていき、色を付けていきます。写真のタイルの縁の部分はすでに色付けまでされた部分です。
写真や絵などを模写する場合は、もとの絵の色にできるだけ近づけるために、細心の注意を払います。ここで難しいのは、顔料の色が焼成後は全く違う色になってしまうことです。例えば、鮮やかな青も、顔料の色は写真④のような藤色のような色味なのです。
絵付けが完了すると、タイル専用の棚に一枚ずつ収めていきます。数十枚の組タイルなども、一旦こうしてばらしてしまうのです。そして焼成後、再び組タイルを並べる段階で分かりやすいように、タイルの裏面にアルファベットと数字でA1,A2,A3,....B1,B2,B3,...のような形で表示しておきます。
この焼釜でいよいよタイルを焼き上げます。1020℃~40℃で6~8時間焼き、その後釜の中でゆっくりと冷まし、最初に焼釜に入れた時から約24時間後に出来上がったタイルを取り出します。
お客さんからのオーダー品であれば、組タイルもばらした状態で納品しますが、店頭で販売するための商品は、ボンドで板に貼ってしまう場合もあります。
これでアズレージョ出来上がりです!